日経ビジネスGW号に「家が買えない(令和版バブルの舞台裏)」という記事があります。
今回はこの記事の解説をするものではありません。興味のある方は買って読んでください。ここからは私の独断と偏見に満ちた文章です。
分譲マンションも、例えば最近売りに出された港区三田のマンションは、全住戸が2億円超えといわれています。もう、「億ション」という用語は一時代前のことで、2億円を超えないと「億ション」とはいわないそうです。
ざっくりいえば、都心5区以外の23区内で駅3分以内の新築好立地マンション(特にタワーマンション)は坪400万円程度になっています。
土地でいえば、私が住んでいる練馬区も駅近で区画が整然としている住宅地は、坪単価250~270万円、現在当社で媒介している世田谷区三軒茶屋の住宅地は、坪単価300万円を超えています。いわゆる建売住宅が1億円はほぼ当たり前の時代ということになりました。それだけ価格が上がって一般人はマイホームが持ちにくくなったということです。
昭和から平成にかけて世の中を席巻した、あのバブルをも凌ぐ価格が現れています。もちろん場所により価格というのは全く違うので、バブル超えしていない所も数多くあり、一概にはいえません。
これは、戦後間もない時代から(戦後は分からないので、多分)、皇居を中心とした場所が最も高く(つまり千代田区)、そこから遠くなるに従って地価は安く(低く)なるのが地価のあり方でした。今もそうです。例えば、番町などは住宅地の最高峰といっても過言ではありません。
ということで、山手線内がまさに住宅地のステータスになります。そこから各私鉄沿線の住宅地が放射状に延伸されました。これは、鉄道会社が沿線地域ごとに劇場・球場・遊園地などを作り付加価値を上げ、自社開発の住宅団地を造り、自社の鉄道に客を誘致する作戦でした。阪急の宝塚劇場がその先鞭でした。と、余談が過ぎました。
では、これがどれぐらい続くのかは神のみぞ知るということで、誰にもこれといった答えを出すことは出来ません。ただ、ひとつだけ言えることがあります。
短期的には金利動向です。日銀は世界から何といわれようと金利は上げない方向です。歴史的な低金利が既に10年以上続いています。これ以上は金利を下げることは出来ないでしょう。
長期的には、恐ろしいぐらいの人口減少です。つまり、今の価格水準は高値止まりか下げる可能性を考えておくべきです。
これらをチャンスと考えて、キャッシュを持っている人は、下げるときに利益を上げる方法もあります。
どんな時代になっても、変わり目に如何に投資するかが資産を増やすコツと言えるでしょう。
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