所在地 | 神奈川県○○市 |
---|---|
面積 | 土地475m² |
用途地域 | 第1種住居専用地域(建ぺい率:60% 容積率:200%) |
価格時点 | 平成9年6月(相続発生時点) |
ポイント
間口3m弱の路地状部分を介して接道する路地状敷地であるため、どうしてもその個別性に目がいきがちですが、このような土地を評価するに当たって、まず第一に考えなければならないことは、標準的画地(整形な土地)価格の把握です。不動産の価格はそれぞれ有する個別性により千差万別ですが、その中心(標準)となる価格はその不動産の属する地域性を反映(いわゆる相場なるもの)したものであり、これなくして不動産の価格はあり得ません。
評価
近隣における取引事例および公示価格等より、標準的画地価格を 293,000円/m²と査定。
道路幅員による減価 | ▲3% |
画地条件による減価 (不整形、間口狭小、奥行逓減、地積過大) |
▲42% |
環境条件での減価 (鉄道騒音、高圧線鉄塔) |
▲15% |
行政上の規制 (○○市建築基準法条例) |
▲2% |
合計 (各項目の乗積) |
▲53% |
293,000円/m² ×(1-0.53)×475m² = 約6,500万円
解説
幅員2.7mの行き止まり道路に間口約3m面するかなり不整形な路地状敷地で、北側はJR路線と隣接、さらに南東側には高圧線の鉄塔が存在するという3重・4重の減価要因を有する土地の評価です。おまけに土地面積は450m²を越えており、総額面でも注意が必要です。 またこの土地は相続発生と同時に売却の方向で話が進んでおり、実際の市場価格と鑑定評価額(理論的な価格)の乖離率も興味津々でした。(これが鑑定士の腕-センス-の見せ所です) 結果は、評価額を提示して10日程してから売却が決まったとの連絡があり、注目の乖離率は約1.7%でした。(自信はありましたが、やはり売却価格が確定するまでは不安もありました。)