芳賀: それと、何か1つがたまたまうまくいったからといって、それを「成功」と思わないようにしないといけないですね。自分は成功したと思ってしまったら、その瞬間から没落が始まってしまいます。常に見えない「成功」に向かって修行している位の意識でいた方がいいと思います。
司会: 人間の生き方そのものという感じがしますね。
芳賀: そのとおりです。生き方そのものが問われることになると思うのです。この「成功」へ少しでも近づくためにということをテーマに鑑定業界について自分なりにまとめたものがあるんですよ。
司会: それは、興味深いですね。是非、紹介させてください。
芳賀: 私の考える「成功への道筋」というのは、次のようなものです。
【ア】自ら動き、ネットワークを作る
自分が中核になり周辺業者等の人材をとにかく集めてネットワークを作る。ただし、何らかのテーマが必要になる。そのテーマが鑑定業務に繋がらなければ意味がない。ネットワークを作る際に、いきなり自分が中心になるのは難しいので、まず○○クラブのような異業種やエグゼクティブが集まるような組織の一員になるという手もある。基本的に、こういう場では目立たないと意味がないし、鑑定業務に繋がる可能性は低いかもしれない。ただ、こういう場に不動産鑑定士が参加すること自体がほとんどないため、物珍しさもあり、思いの外目立つことになる。
【イ】自分の言葉で情報発信
自分が関わるテーマや時流に沿った情報発信をする。ただし、自分の考えや言葉で物を言い、書くことが必要となる。他人が作った情報をそのまま流しても新鮮味や迫力を欠いてしまうので、それなら止めた方がいい。
【ウ】周辺士業との連携
ネットワークは不動産鑑定士の周辺にいる士業が望ましい。すでに提携関係にある士業の方から紹介を受けるなどして積極的に広げる努力をする。周辺にいる士業の典型としては、税理士・弁護士・司法書士・土地家屋調査士・行政書士・一級建築士等が挙げられる。さらにいうと、不動産業者・建設業者もある。
【エ】不動産中心のテーマ
鑑定に繋がるテーマということだが、やはり不動産に関することを中心にするべきである。不動産のどの分野がよいかは自分で考えよう。ちなみに私は不動産と「相続」という大きなテーマでこの20年以上やってきた。
【オ】メリットのある提案
鑑定業務を紹介してくれそうな人物や団体に近付く。ただし、役に立つことを見せるか具体的プランがあるか等で相手にメリットを感じさせないと長続きしない。つまり、こちらから積極的な提案を持ちかけるネタが必要である。
芳賀: こうやって見ると、バラバラして、まとまりがありませんね(笑)。
司会: そんなことないですよ。分かりやすい内容となっていると思います。その上、メッセージが込められていますね。