東京アプレイザル・不動産鑑定士の永井宏治です。

前回からの続きで「士業における講師活動」のメリットを詳しく書いてみます。

6.受講生に対して自身で作成したレジュメの内容を伝えることで「伝える力」が養われる。

これは私自身の課題でもあるのですが、「どのように伝えるか」ということはとても大事なことです。受講生は全員が同じレベルではありません。平易な説明を心がけようとしても「そんな簡単なことを今更話されても」と思われてしまう可能性がある一方、こちらとしては「普通」と感じる分野であったとしても「難しすぎる」と思われてしまう可能性もあります。受講生のレベル感については一律ということはなく、特にオンラインで受講される方も多いことから、「どのように伝えるか」という点を意識していくことが大事かと思われます(それでも私の場合は難しいと思われることが多いので気を付けたいと思います…)。私個人としては比較的基本的と考えられる内容より重要論点については時間をかけて話し、ポイントと考えられる箇所は「繰り返して話す」等を意識しています。

7.講義を自身で振り返ることで反省点(時間配分、話すスピード、説明の仕方等)が見つかり、次に生かそうと考えることができる。

セミナーでは時間配分はきちんと行った方が良いかと思われます。時間は大幅に余らせてしまうと「お金を払って申し込んだのにもう終わりなの?」と思われてしまいますし、大幅に超過してしまうと「いつ終わるのかな。次の予定があるのに」「疲れたなあ。早く終わってくれないかな」と思われてしまいます。やはり終了ジャストまたは数分前くらいに終わらせるのが良いかと思います。延長しそうになるとつい早口で終わらせよう、という場合もあるため、話すスピードや説明の仕方は私の課題でもあります。また、アンケートから受講生の方の意見も把握でき、次回以降の課題とすることができます。

8.上記のように「実務以外」のスキルを磨くことができ、そのスキルを伸ばせたら「売れっ子講師」になる可能性もある。

弊社のセミナー事業でも笹岡宏保先生をはじめとして、「人気講師」の先生方がいらっしゃいます。専門家として普段から研鑽を積むことはとても大切なことですが、講師としてアウトプットをして、(ハードルは高いですが)人気講師になることができたならばいろいろな団体から声がかかるようになり、本業以外の収入面でも講師業は大きな柱になるでしょう。もちろん、講師を行う暇がないほど本業が忙しいならば講師を積極的に行う必要はないかもしれませんが、さまざまな士業の方のHP等を見ると講師経験を持つ方は本業外のイレギュラーな仕事も積極的に取り組まれている印象があります。

9.会場受講の方々と交流ができ、仕事の相談を受けることもある。

1で述べたAP-CAD講座についてコロナ禍以前は毎月のように開催しており、少人数制のセミナーだったため、多数の税理士の方々と交流させていただくことができました。今でもその先生方やその先生方から広がった事務所様とは交流があるため、私にとって大きな財産になったと思っています。

10.その場で相談はないとしても名前を覚えていただき、将来相談をいただく可能性がある。

こちらも経験があるのですが、講師側としては記憶が薄れてしまっても「昔永井先生のセミナーを受講したことがある」と連絡があり、鑑定の相談を受けることがあります。このようなご連絡をいただくことは講師冥利に尽きます。したがって、講師活動は将来の見込み顧客の獲得にもつながります。

・まとめ

このように見ていくと、セミナー講師を行うことはやはり様々な面でメリットが大きいことがわかります。私は他の鑑定事務所での就業経験はなく、東京アプレイザルのみで16年以上勤務しているのですが、「セミナー事業を行っている鑑定会社」はほぼないため、そのような会社に入社し、講師経験を積み、様々な先生方のセミナーを聴講する(講義内容以外にも話し方やレジュメの見せ方等も学べる)ことができたのはとても良いことだったと考えております。少しでも「講師活動」について関心を持たれた方は是非弊社のセミナーをご受講いただき、様々な先生方の講義を聞いてみてください。きっと新たな発見があると思います。

 

 

https://tap-seminar.jp/seminar.php?keyno=2333