所在地 | ◯◯区 |
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接面道路及び画地条件 | 北西側幅員27m都道に面する間口20m・奥行17mの中間画地 |
用途地域 | 商業地域(建ぺい率:80% 容積率:500%) |
敷地面積 | 350m² |
延床面積 | 1,600m² |
構造 | 鉄筋コンクリート造7階建 |
種類 | 店舗付事務所ビル |
築年月日 | 昭和62年2月 |
路線価 | 1,200,000/m² |
評価
1.積算価格<原価法>
土地価格の査定
(1)標準的画地価格の査定
近隣及び類似地域の取引事例と地価公示価格等により、1m²当たり2,100,000円と査定しました。
(2)土地価格の査定
2,100,000円/m²×(1±0%(注))×350.00m²=735,000,000円
※注:標準的画地と判断
建物価格の査定
(1)再調達原価の査定 1m²当たり242,000円と査定しました。
242,000円/m²×1,600.00m²=387,000,000円
(2)建物価格の査定
≪主体≫
387,000,000円 × 80% × 21/(19+21) = 163,000,000円
≪附帯≫
387,000,000円 × 20% × 10/(19+10) = 27,000,000円
【建物価格の査定】
≪主体≫ + ≪附帯≫ = 190,000,000円
【積算価格】
土地価格735,000,000円 × 建物価格190,000,000円 = 925,000,000円
2.収益価格<DCF法・直接還元法>
DCF法による収益価格
1,372,000,000円
(キャッシュフロー表参照)
直接還元法による収益価格
1.総収益
(1)~(3) = 88,140,000円
(1)年額賃料
6,180,000円 × 12ヶ月 = 74,160,000円
(2)共益費
990,000円 × 12ヶ月 = 11,880,000円
(3)保証金の運用益
70,000,000円 × 0.03 = 2,100,000円
2.費用
(1)~(6) = 20,372,000円 ※経費率23.1%
(1)修繕費
88,140,000円 × 5.0% = 4,407,000円
(2)維持管理費
74,160,000円 × 3.0% = 2,225,000円
(3)公租公課(固定資産税・都市計画税)
土地・建物 8,000,000円
(4)損害保険料
387,000,000円 × 0.1% = 387,000円
(5)貸倒準備費及び空室損相当額
74,160,000円 × 2.0% = 1,483,000円
(6)資本的支出(大規模修繕費等)
387,000,000円 × 1.0% = 3,870,000円
(3)土地・建物に帰属する純収益
1 – 2 = 67,768,000円
4.総合還元利回り
5.0%と査定
5.直接還元法による収益価格(3÷4)
67,768,00円 ÷ 5.0% = 1,355,000,000円
収益価格の決定
A.DCF法による収益価格:1,372,000,000円
B.直接還元法による収益価格:1,355,000,000円
以上により、対象不動産の収益価格を1,364,000,000円と試算しました。
3.試算価格の調整及び鑑定評価額の決定
1.積算価格:925,000,000円
2.収益価格:1,364,000,000円
以上を総合的に判断した結果、本件評価においては貸家及びその敷地の価格を求める観点から、DCF法及び直接還元法により求められた収益価格を標準とし、原価法による積算価格を関連付け、鑑定評価額を1,350,000,000円と決定しました。
土地・建物の内訳
内訳(積算価格の構成比による)
土地:1,073,000,000円(3,070,000円/m²) → 路線価1,200,000円/m²の約2.5倍
建物:277,000,000円
別ウィンドウでキャッシュフロー表が開きます。→キャッシュフロー表
解説
都心の優良収益不動産は総額面も嵩むことから、市場参加者は家賃収入等を期待するREITや不動産投資家に限定され、収益価格をもって取引価格が決定されることが多いです。
従来の収益還元法においては、一定期間の純収益に基づき、当該純収益が半永久的に続くものとして還元利回りが査定される直接還元法が用いられていましたが、REITや不動産投資家は、より短期的に不動産がどのような収益を上げるかという点に関心が高いため、投資期間中のキャッシュフローと転売キャッシュフローの両面から収益価格を試算するDCF法による評価を重視します。
本件は、不動産投資家が都内の優良収益不動産を取得する場合の評価ですが、収益還元法においてDCF法及び直接還元法の2手法を適用し、収益価格を重視して評価を行いました。
また、近時、都心の優良商業地は地価・賃料が下げ止まり、上昇傾向にあることから、取引利回り等が低下しており、収益価格による土地価格は、積算価格による土地価格を上回り、路線価の2~3倍となっています。