所在地 ◯◯市
街路・画地 幅員3.8m道路(建築基準法の道路に該当しない)
用途地域 第1種低層住宅専用地域(建ぺい率:50% 容積率:100%)
面積 250m²
地域性 一般住宅、アパートが建ち並んだ住宅地域

評価

標準的画地価格の査定

南側の建築基準法上の道路(幅員4m)に面する120m²の整形な中間画地と想定しました。

1.比準価格:295,000円/m²
2.規準価格:270,000円/m²
3.収益価格:180,000円/m²

以上より、標準的画地価格を290,000円/m²と査定しました。

鑑定評価額

隣接地の一部を買収し、建築基準法の道路に間口2m面すると仮定した場合の、買収予定地(40m²)を含めた土地価格
290,000円/m² ×(1-0.4(注))×290m² =50,460,000円

(注)対象不動産の個別的要因
個別的要因の内訳 増減価率
間口が狭小である -15%
不整形である -15%
奥行逓減である -5%
地積大である -5%
合計 -40%

これより隣地の買収価格(290,000円/m²×40m²=11,600,000円)を控除します。

さらに買収の困難性(-10%)を考慮します。
(50,460,000円-11,600,000円)×(1-0.1)≒ 35,000,000円

解説

対象不動産の特徴は、最寄駅に約200mと近いことです。道路もやや狭いながらも自動車の通行は可能です。

一見すると何の問題も無いような土地です。周辺には住宅、アパート等が建ち並んでおり普通の住宅地です。しかし、実は大きな問題がありました。

前面道路が建築基準法の道路に該当しません。市役所での調査では周辺に建っている建物のほとんどが違反建築でした。これには驚きました。

家が建て込んでいるから道路に問題が無いと判断するのは危険です。基本的な道路調査がいかに重要かが思い知らされます。