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土地評価実例集

6.林地の評価

【実例1】市街化区域内に残された林地

所在地 ◯◯市
街路・画地 幅3mの水路に面する長方形の無道路画地
地 勢 平均斜度30度の傾斜地
面 積 200m²
用途地域
周囲の状況
種 別
近傍宅地価格

■評価

(1)標準的画地価格(道路に面しない画地規模500m²程度の都市近郊林地を想定)の査定
市街化調整区域内の都市近郊林地の事例等から、1m²当たり9,500円と査定しました。

(2)対象不動産の林地としての価格の査定

9,500円/m²×(1-0.20)(注)×200m²=1,500,000円

(注)対象不動産の個別的要因
個別的要因の内訳 増減価率
緑地保全区域と水路との間に位置することにより
有効利用度が相当劣る
-15%
地積過小で林地としての市場性がやや劣る -5%
合 計 -20%

(3)対象不動産の宅地となる期待性を加味して得た価格

1,500,000円/m²×(1±0%(注))= 1,500,000円

(注)宅地となる期待性の判定
対象不動産は、一方は将来的に緑地として保全していく「○○緑地保全地域」に隣接し、他方は水路に面し、その両者の間に位置する急傾斜の林地です。
市街化区域に存することから、将来的には宅地への転換の可能性は残りますが、上記画地条件や周囲には建築基準法上の道路が敷設されていないことから、単独での活用(宅地への転換等)は不可能であり、将来においても林地として利用されていくものと判断されます。
以上の理由により、宅地となる期待性は±0と判定しました。

●その他
宅地開発が進んでいる都市の郊外には、対象不動産のように市街化区域内に林地のまま残されており、将来的にも宅地として利用が非常に困難な土地がしばしば見受けられます。
相続税の路線価評価において、市街化区域内の路線価がつけられていない土地の場合、現況の利用状況や将来の宅地への転換の可否等は考慮せず、近傍宅地の価格から評価することとなり、市場価値と大きく乖離している場合が多いと思われます。

■解説

都市計画法7条において、市街化区域とは既に市街化を形成している区域及び概ね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域と定義され、市街化区域内の土地は、現況林地であっても、接道条件等の要件を充たせば、原則、宅地(建物の敷地)として利用されることが可能です。
ただし、対象不動産の存する地域は、将来的に緑地として残すことを目的として条例で定められた緑地保全区域に隣接した林地であり、周囲には建築基準法上の道路が敷設されていません。
対象不動産は市街化区域内の現況林地であり、周囲の環境条件、接道条件、画地条件等から判断して、将来においても林地として利用されていくことが合理的と判断されます。ただし、市街化区域内に存することから、宅地への転換の可能性も若干ながらあります。
以上から、対象不動産を熟成度の非常に低い宅地見込地と判定しました。
したがって、評価に当たっては、現況の林地としての価格に宅地となる期待性を加味して得た価格をもって鑑定評価額とします。

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