追悼 長尾浩章さん

(前・株式会社週刊住宅新聞社 社長、前・相続アドバイザー協議会 副理事長)

去る 3月13日 未明に57歳という若さで長尾さんがご逝去されました。心臓疾患だったそうです。あまりに突然の出来事で、最初は誰のことか信じられませんでした。その一週間前には相続アドバイザー協議会関係者とゴルフをしていたそうです。それほどお元気でした。とにかく多くの団体の役職を兼務されていましたので、その心労が重なったのでしょうか。本当に悔やまれます。

平成11年に初代社長から週刊住宅新聞社を引き継がれて18年目のことでした。私との出会いは平成7年頃。特に親しくなったのは週刊住宅さんが高田馬場に本社を移転されてからです。まさに平成11年でした。丁度その頃、私は相続アドバイザー協議会の発足を画策(?)しており、長尾さんにも役員になってもらうことになりました。なんといっても新聞社さんを味方にして応援をしてもらえることは大変有難いことでした。これは株式会社ハート財産パートナーズ社長、林弘明氏との関係が大いに寄与したことは間違いありません。

当時の私の会社の事務所スペースは22坪です。打ち合わせする会議室さえない有様です。当然、相続アドバイザー養成講座で使用するセミナースペースをどこかに借りなくてはなりません。大変いいタイミングで週刊住宅さんが移転して来たのです。当時80人は収容可能なセミナールームを持っていました。これに目を付けて、長尾さんの全面的なバックアップのおかげで相続アドバイザー養成講座を開催することになったのです。何しろ東京アプレイザルの事務所から徒歩2分です。何かあってもすぐ行ける便利さは何にも代えがたい存在です。

まさに干天の慈雨とはこのことです。相続アドバイザー養成講座は平成12年9月が第1期生募集です。その前の12年4月には、亡き税理士水上保治先生を講師にお招きして会の発足記念式を昔の平安閣で行いました。水上先生には基調講演をしてもらいました。税理士さんに大きな影響力を持っていた先生に、初めは理事長になっていただきました。当時は相続関連セミナーはほとんどない時代です。物珍しさも手伝い、集客の努力もあり200人ぐらいの方に来て頂くことが出来たのです。当時の週刊住宅の記事には250人もの人が集まったと掲載されました(長尾さんの指示かどうか今は分かりませんが50人ぐらいは付加していたかも)。

さらにその後4ヶ月にわたり、プレセミナーなるものを3回ほどやって本講座に誘導しようとするものでした。新聞でも随分とPRして下さいました。お陰様で60人近い受講者となりました。

現在、相続アドバイザー養成講座は足掛け18年、40期生を迎えています。累積受講生は2,300人を超えています。この講座は、週刊住宅さんが高田馬場から新宿へ移転した平成25年秋まで、全28回続くことになります。

現在、相続アドバイザー養成講座があるのは、長尾さんのバックアップがなかったら存在することはなかったのではないか、とさえ思います。それほどの恩人です。本人は至って謙虚な方で偉ぶる姿はついぞ見たことがありません。挨拶の時も少しはにかんだ様子です。不動産業界のためと社員の為に身を捧げた一生でした。

我々生き残った者は長尾さんの遺志を継いで一生懸命に生きなくてはなりません。

ありがとうございました。

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故人のご冥福をお祈りし、哀悼の意を表します