広大地の基本
全ての土地において、広大地に該当する・しないの最終関門は「道路開設が必要かどうか」の判断によります。広大地の判定にあたり、今回のテーマは、仮に対象不動産が中高層の集合住宅用地ではないことを証明したとしても最終的には通達でいうところの公共公益的施設用地(開発道路と置き換えてもいい)の負担の必要性があることを証明しなければならないことです。そのためには、当該土地が広大地になるか、ならないかは次のキーワードをイメージすることにより、比較的簡易に判断することが可能となります。
これを決めるキーワードとは
① 奥行き距離(28m以上か24m以内か)
② 地形(奥行きが浅くても不整形の時)
③ 道路付け(2方路あるいは3方路)
④ 道路との高低差(道路面との段差)
⑤ 最低敷地面積制度(各自治体の都市計画)
⑥ 間口距離 (4m未満等)
⑦ 面積基準 (500㎡未満など)
おさらいのため広大地の定義を再度記載します。財産評価基本通達(24-4)では広大地を次のように定義しています。
『広大地とは、その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な宅地で都市計画法第4条第12項に規定する開発行為を行う場合に公共公益的施設用地の負担が認められるものをいう。』
ただし、
・大規模工場用地に該当するもの
・中高層の集合住宅等の敷地用地に適しているものを除く
また、広大地に該当する面積基準は以下の通りです。
1、 市街化区域
三大都市圏 ・・・・・・・500㎡
それ以外の地域 ・・・・・1,000㎡
2、 非線引き都市計画区域・・・・3,000㎡ (詳細は所轄税務署に確認して下さい。)
ただし、国税庁の平成16年情報では次の文章が合わせて出されているので、注意が必要です。
「ミニ開発分譲が多い地域に存する土地については、開発許可を要する面積基準(例えば、三大都市圏500㎡に満たない場合)であっても、広大地に該当する。」
この面積基準については、三大都市圏が500㎡というのは良く知られていることですが、500㎡未満の土地については以外に見逃されています。但し、国税局単位で扱いが異なりますので十分に地域の実情を調べて下さい。
① 奥行き距離
弊社では広大地の判定に当たり、事前相談用に必要な資料を取り寄せます。登記簿、住宅地図、公図、測量図は必須です。但し、測量図は作成していない方が多いので事後にお願いすることがあります。
まず、気にするのは奥行きの長さです。28m以上あれば開発道路を入れる必然性が高まりますので、広大地の可能性が大きくなります。逆に24m未満だと、路地状敷地で区画割が間に合うケースが多いので可能性が薄くなります。但し、自治体の最低敷地面積制度により22mでも広大地に認められた例がありますので完全に諦めないようにして下さい。
② 地形
図-3のような地形の土地がたまに見受けられます。奥行きが22mと浅いので一見、広大地は無理かと思われます。しかし、地形が奥の方で出っ張りがあるため、これに道路を入れずに区画割りするとなるとかなり無理が生じます。よって、開発道路を入れる蓋然性が高まります。図3-2のような区画割りになりますので広大地に認められる可能性が大いにあります。