多くの皆様からのご要望にお応えして、広大地判定実力テスト(当ブログNo.239 8/4掲載分)の解答を公開いたします!
是非、自己採点してみてください。 ★テスト内容はこちら
※今回の問題の前提として、地形は整形地を想定しています。
1、×が正解です。
奥行きが問題です。20mであれば区画割りのとき、路地状敷地(旗ざお状)で間に合う可能性が高いので(開発道路は不要になる)、広大地に認められる可能性はゼロとはいいませんが、極めて厳しいです。但し、地形が不整形のときは、可能性は出てきます。
2、×が正解です。
容積率と前面道路に問題があります。幅員が4m換算(セットバック後)ですので、基準容積率が160%になります。この場合、明らかにマンション適地とは言いません。それと、道路幅員が2.7mの場合、マンション業者が購入できるかというマーケティング的な要素と開発許可が得られるかの両面から検討する必要があります。むしろ最有効使用は戸建て用地で、広大地という判定になります。
3、×が正解です。
世田谷区ということと、駅距離300mが問題です。一般的には1低専(50/100)であれば最有効使用は戸建て住宅用地という判断になります。但し、東京都内の限られた地域(例:世田谷区、目黒区、大田区、杉並区等のいわゆる高級住宅地)では、1低専で3階建て低層分譲マンションというのがあります。(厄介なことに)、ということで、地域の実態を踏まえた調査が必要です。明らかに広大地になるというのは危険です。
4、×が正解です。
3F建てが問題です。さいたま市に限らず東京圏における1低専(50/100)の地域は原則的には戸建て住宅が最有効使用です。3F建て賃貸マンションは鑑定評価上の収益価格からの観点からは、最有効使用とは言えません。当社の過去の広大地判定の経験を踏まえて、広大地に認められる可能性があります(あくまでも可能性です)。
5、×が正解です。
容積率300%の場合は原則として広大地には認められません。但し、本件の場合は幅員4m道路なので、基準容積率が160%になります。(問題が引っ掛けです)それと、最低敷地面積が70㎡です。このような土地の場合は、周囲の開発状況をくまなく調査します。戸建て分譲の開発現場があれば必ずしもマンション適地とはいいません。よって、広大地になる可能性が出てきます。
6、×が正解です。
尚、問題に不備がありましたので補足します。都道沿い20mまでが準住居地域、その後ろが1低専です。この場合は準住居の場所にレストランが建っているイメージです。このような店舗が建っている場合、やや微妙な判断になりますが、この街道沿いの有効利用の現状を調べます。例えば、この道路から戸建て住宅の開発現場があるなど、全てが店舗利用されているとは限りません。環状7号線などの主要街道であれば、戸建て住宅はありませんが、郊外型の街道であれば、広大地の可能性が出てきます。
7、×が正解です。
2方路の場合、奥行き40mであれば、両方の道路から路地状敷地で区画割することが出来ます。よって、開発道路が不要になりますので広大地に認められません。しかし、本件のように南道路面より3m高いとすると、この道路面から路地状敷地に持っていくことは、多額の造成費がかかり、現実的ではありません。平坦な北側道路面より、開発道路を入れることが経済合理性に合致しますので広大地になる可能性があります。
8、×が正解です。
都市計画道路が予定されている土地の問題です。都市計画道路予定地には原則として高さは2F建てまで、RC造や地下室は許可されません。300%の容積率は絵に描いた餅です。そのためマンション適地には該当しません。
9、×が正解です。
500㎡未満が問題です。3大都市圏は500㎡以上が原則ですが、ミニ開発が多い地域に関しては500㎡未満の土地でも認められているのが実態です。幣社でも20箇所以上あります。国税庁の情報でもそのように出ています。但し、特定の地域によって、500㎡未満は認められないことがありますので注意して下さい。
10、×が正解です。
市街化調整区域内の既存住宅の問題です。古から家が建っていることより、取り壊しても再建築が可能です。大きい土地であれば、市街化区域並みに開発許可も取れます。単に調整区域ということだけで、広大地に認められないということはありません。幣社では4~5例あり。
※ご注意※
今回の解答は、全て限られた条件での問題に応じたものです。広大地の判定は対象不動産の個別的な要因や条件によって大きく変化します。
当然、絶対的なものでもありません。また、私見も入っています。一つの目安としてお手元において頂ければ幸いです。