所在地 東京都○○区
街路・画地 西側幅員6m区道に間口23m面し、奥行22mの長方形状の中間画地
利用状況 資材置き場
用途地域 第一種中高層住居専用地域(建ぺい率:60% 容積率:200%)
面積 500㎡
最低敷地面積 60㎡
駅距離 ○○駅 900m

論点

公共公益的施設用地の有無

ポイント

  • 間口と奥行の長さ
  • 標準的な宅地の面積
  • 開発行為における1区画の最低敷地面積

解説

公共公益的施設用地の負担の必要性は、経済的に最も合理的に戸建住宅の分譲を行った場合の、当該開発区域内に開設される道路の開発の必要性により判定することが相当であるとされています。具体的には、その地域の標準的画地の大きさ、及び各自治体の開発指導要綱(開発道路幅員、最低敷地面積等)等を吟味し、最有効使用の観点(一番高く売れる区画割り)から進めなければなりません。

本件においては、間口23mに対し奥行が22mと短めですが、周辺地域において60~80㎡の戸建分譲事例が多く見受けられることからその地域の標準的画地を70㎡程度と判断し、経済的かつ最も合理的(最有効使用)に戸建分譲をするには、公共公益的施設用地、いわゆる開発道路等の潰れ地が生じるものと判断しました。

上記のように、奥行距離が短く、「路地状開発」で分割で、新設道路(公共公益的施設用地)の負担必要性が認められないと思われる場合であっても、地域における敷地最低面積や周辺分割事例の区画面積が小さければ、新設道路を敷設する計画が合理的と判断される場合もあります。

なお、「路地状開発を行うことが合理的と認められる」かどうかは次の事項などを総合的に勘案して判断するよう、国税庁の質疑応答集に記されています。

  • 路地状部分を有する画地を設けることによって、評価対象地の存する地域における「標準的な宅地の地積」に分割できること
  • その開発が都市計画法、建築基準法、都道府県等の条例等の法令に反しないこと
  • 容積率及び建ぺい率の計算上有利であること
  • 評価対象地の存する地域において路地状開発による戸建住宅の分譲が一般的に行われていること