司会: 不動産鑑定士の受験者数が激減しているこのような現状で、国として対策を立てようとは考えてはいないのでしょうか?
芳賀: 管轄している国土交通省が色々と試みているとは思うんですけれど、正直効果は上がっていませんね。不動産鑑定士という職業は無くてはならないのですが、それを伝えることができていないのだと思います。
司会: 必要性を、きちっと伝えきれていないのが問題なのですね。東京アプレイザルさんのホームページを見ると、土地評価の基本的な考え方から活用の仕方までが実例集として掲載されており、不動産鑑定士の仕事の必要性・重要性がよく分かりますよね。それが若い方に伝わっていない、伝えきれていないのが現状なのでしょうね。
芳賀: そこを、業界団体である不動産鑑定士協会が、もっと活発に動いてくれればなとは思いますよ。公的な団体の活動というのは大きいですからね。
司会: そうですよね。実際に、相続対策という観点で考えてみても不動産を適切に評価することは、非常に重要ですよね。例えば、資産家で自分が亡くなった後の相続のことを考えて、あらかじめ土地の時価を算定しておくということも考えられますし、相続が発生した際には、当然不動産評価をした方がいいというケースがあり得るわけですからね。
芳賀: そうなんですよ。後ほど詳しくお話をいたしますが、不動産鑑定士の仕事は、相続とは密接に関連しているので、その部分での必要性や将来性が伝わればいいんですけどね。