東京アプレイザル・不動産鑑定士の永井宏治です。
3月17日、令和8年の地価公示が発表されました。今回はその件について触れたいと思います。
全国の全用途平均は、+2.8%で上昇幅は前年の+2.7%から拡大しました。用途別では、住宅地は+2.1%、商業地は+4.3%の上昇。東京、大阪、名古屋の三大都市圏では全用途平均が5年連続で上昇しました。
弊社所在地(千代田区二番町)に近い場所の公示地をチェックしてみると、一番近く、弊社ビルのほぼ向かい側の場所も地価公示地(千代田5-15)ですが、+8.7%の上昇でした。前年上昇率が+10.4%でしたので、やや上昇率は抑えられた、という感じでしょうか。
住宅地について千代田区の番町地区は戸建用地ではなく、マンション用地の公示地となっております。千代田-1(三番町)は+11.4%(前年上昇率+10.0%)、千代田-3(六番町)は+9.7%(前年上昇率+10.0%)、千代田-7(一番町)は+11.0%(前年上昇率+10.0%)と相変わらず高い上昇率を保っています。
さまざまなメディアで建築費の上昇が続き、マンション価格が高騰し、住宅地も上昇傾向が続いていると言われています。
以前デベロッパーの方から「今の若い世代はバブル崩壊を知らない。だから不動産が下がることがあるというのを知らず、ずっと上がるものと考えているから、怖いもの知らずで購入に踏み切る。」というお話を聞きました。テレビのニュース番組等でも1億数千万ものマンションを購入する若いご夫婦なども見ました。「高いのはわかっているが、今買わないともっと高くなってしまう」という考えもあるようです。
私は、前回のREAレポートで触れたように、平成初期のバブル崩壊はあまり記憶にありませんが、2008年のリーマンショックはよく覚えています。日経平均株価も7,000円を下回り、その年の年末にかけてマンション業者の倒産が相次いで報道されました。当然、マンション価格も今と比較すると相当安くなっていました。私としては「マンションも下がるときは下がる」ものだと考えています。
そして、マンション価格について「そろそろ頭打ち」とする記事も見るようになりました。やはり、需要の面で「さすがに買えない」と考える方が増えると、価格としては落ち着いていくことになると思います(とはいえ、お金がある方はやはり買うのでしょう。弊社ご近所のとある新築マンションも完売御礼になっています・・・)。
一方で、やはり建築費の高騰は歯止めがかかる気配はありません。
相続税の方に目を向けると、地価公示が発表されたことで7月1日に路線価が発表されるまでの間に、近隣の地価公示の上昇率から令和7年の路線価と比較しておよそどれくらいの上昇率か推測することができます。また、路線価の発表と同時に令和8年の宅地造成費も発表されることになりますが、おそらくまた上昇していることは予想できます。
路線価が上昇すると単純に考えれば相続税評価額は上がります。しかし、すべての不動産が上昇するわけではなく、「多額の造成費用が必要になる土地」等、個別性が強い土地はより「時価との乖離」が大きくなる可能性があります。
申告や分割、相続対策等の場面で不動産鑑定士の「時価を見る目」をご活用いただければ幸いです。



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