Ⅰ.RC6階建て賃貸マンションの敷地が広大地に認められました。

所  在  地 : 埼玉県X市

土地面積 : 1,500㎡

建物面積 : 2,500㎡ (平成4年築)

用途地域 : 第1種中高層住居専用地域 60/200

道路幅員 : 6m

当該地域の開発行為における最低敷地面積 : 100㎡

正面路線価 : 135,000円

 

広大地判定のポイント

1、周辺の利用状況

戸建て住宅、賃貸共同住宅、駐車場、畑等がみられる普通住宅地域

このことより標準的使用は敷地面積が100~120㎡程度の戸建て住宅の敷地と判定する。なお、周辺地域においては、この10年来、継続的な戸建て開発が行われており、中高層マンション用地とは言い難い環境条件である。

※ 最寄り駅から1,300mと遠く分譲マンション用地とはならないと判断する

(つまりマンションデベロッパーが興味を持たない立地である)。

 

2、収益性からの検証(詳細省略)

収益価格を用いて実際の評価額(時価)を出してみます。

前提として、建物価格は原価法により240,000,000円と査定

総収益   約39,000,000円

総費用   約12,000,000円

純収益   約27,000,000円

還元利回り 7.8%と査定(築年、駅距離、建物構造等を考慮)

※ 27,000,000円 ÷ 7.8= 346,000,000円

よって土地価格は、346,000,000円 - 240,000,000円  = 106,000,000円 (70,666円/㎡)となり、相続税路線価135,000円/㎡を大幅に下回る。

これは、広大地を適用した場合の対象不動産の評価額である70,875円/㎡とほぼ同等になります。よって、現況の使用方法である賃貸共同住宅としての使用は明らかに最有効使用でないことが検証されました。つまり、マンション適地ではないということです。

 

Ⅱ. ここで提案です。既に弊社には今年中の広大地贈与作戦を実行すべく広大地判定可否の問い合わせが数多く寄せられています。

ご承知の通り平成30年度の通達改正により現行の広大地が廃止されます。

評価減の率が縮減されることより有利なうちにということです。

例えば、上記のような賃貸マンション敷地にも適用できるはずです。

30年度より「地積規模の大きな宅地」にはほぼ100%該当しますので、減額率は下記のようになります。

現行広大地評価額 135,000円/㎡ × 1,500㎡ × 0.525 × 0.82(貸家建付け地)= 7,176,250円

30年以降評価額 135,000円/㎡ × 1,500㎡ × 約0.70(奥行 × 規模格差)×  0.82=116,235,000円

差額 29,058,750円

現行から見ると評価額が33%程度の上昇です。

路線価が200,000円/㎡を超えるような地域ではもっと差が大きくなります。

早目の提案と対策が重要です。

平成30年になって、ウチの先生は何も教えてくれなかったでは済まされません。