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[スタッフブログ]斎藤紀明が斬る!

あまり知られていない『自社株の準共有』のリスク2017.05.25

中小企業の2代目・3代目を育てる後継者育成プログラム【ビジネス計数塾】を主宰しておられる大阪のパワーザイム株式会社代表で公認会計士・税理士の石光仁先生と、5/22(月)AP大阪淀屋橋、そして5/25(木)TAP高田馬場の2会場で共催セミナーを開催させていただきました。

このセミナーはパワーザイム株式会社・株式会社東京アプレイザル・一般社団法人事業承継検定協会の3団体による共催セミナーで、6月に開講する【第7期事業承継スペシャリスト講座】および【第2期事業承継マイスター講座】のプレセミナーとして開催したものです。

2回にわたり、このセミナーの内容をダイジェストでお伝えしたいと思います。

このセミナーでは、前半(1時間)で私が『もめたら大変!自社株をめぐる相続争いとその対応策』というテーマで、主として『自社株の準共有』をめぐるリスクについてお話をさせていただきました。自社株の準共有のリスクってどんなもの?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。相続対策を行っておりますと、『不動産の共有リスク』については広く認識されていますが、まだまだ自社株の準共有のリスクについての認知度は低いように思われます。

まず、なぜ「準」共有なのかという点ですが、「所有権」については共有になりますが、自社株は会社に対する出資の払い戻し請求権ですので所有権の財産ではないため準共有となります。借地権なども相続の時には準共有財産となります。そして、被相続人である創業社長(亡父)が保有していた自社株は、相続発生に伴い全相続人の準共有となります。

本来、相続後に亡父の株主権(議決権)を行使する(=株主総会を開催する)ためには、「代表を一人決めてそれを会社に通知する」ことが必要ですが、もし相続争いが起きた時には代表一人を決めることが出来ません。それではどうすればいいのか?この場合、自社株そのものは相続人全員の「準共有」となっているため、最高裁判例に基づいて「共有者の過半数により決する」こととなります。すなわち、準共有している相続人のなかでの多数決により、議決権が行使されるのです。その時にどんなリスクがあるのでしょうか?

次のようなケースを想定してみましょう。相続人が長男・次男・三男の3名(母は以前死亡)で、亡父の持ち株割合が過半数(50%超)であった場合において、後継者である長男と、次男・三男が遺産分割について争いになってしまったとします。その場合、亡父が保有していた自社株の議決権は準共有状態のままなので、共有者間の多数決で決します。次男・三男が結託して「兄貴を会社から追い出そう」と画策した場合、準共有の株式議決権を2:1の多数決で行使できますので、「臨時株主総会」を開いて、「兄貴、会社を辞めてくれ」と「役員解任決議」をすることが出来るのです。

一般的に、相続争いが起きた場合には、当事者同士は一人の専門家に相談するのではなく、それぞれに別の専門家(士業、コンサルタント等)に相談します。その時に次男・三男の相談を受けた専門家が「亡くなったお父様の持ち株割合が50%超なのでご長男を解任することも可能ですよ」とアドバイスすれば、上記のような事態にならないともかぎりません。

このように、「自社株の準共有」は円滑な事業承継の大きな阻害要因となりかねないリスクを内在します。このリスクを予防するためには、まず何よりも遺言の適切な活用が前提となります。しかし、民法には遺留分減殺請求や特別受益の持戻しなど、相続対策上の限界となる要素が多く含まれていますので、その点をカバーするために経営承継円滑化法の『遺留分に関する民法特例』の活用を検討したり、あるいは民事信託・商事信託などの信託を活用した対策が適している場合もあるものと思われます。

そうした対策の必要性を正しく知るためにも、『自社株の準共有』のリスクを適切に認識していただく必要があると思われます。(次回は石先生の後継者育成プログラムについて記載させていただきます)

東京アプレイザル物語

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