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[スタッフブログ]斎藤紀明が斬る!

「水道が危ない」時代に地方創生は成立するのか2017.02.14

「生活インフラ」といえば代表的なものが電気・ガス・水道です。そのほかに電話などの通信網や電車・バスなど交通機関を含む場合もありますが、一般的にいえば先の3つに代表されます。

その中でもっとも重要なのは水道です。電気は、たとえば電線・電柱が敷設されていないような地域であっても、たとえば自家発電で賄うことができます。最近であれば太陽光など自然エネルギーによる発電もあり得るでしょう。また、ガスについては公共ガス管が敷設されていない地域にはプロパンという選択肢もあります。暖房・調理・入浴といったニーズにはガスに代わる代替エネルギーによることも可能です。

しかし、水はそうはいきません。生きるうえで不可欠であり、飲料水・生活用水として相当量が確保されなければ、そこに住むことは困難です。井戸を掘って自前で飲料水を確保するといっても簡単なことではありませんし、井戸の維持管理、さらには地下水の水源管理まで考えれば個人では到底不可能です。

したがって、一般的な社会生活を営む上では、もっとも重要なのは「水道」ということになります。

しかし、その水道が全国的に危機的な状況にあります。

 

古い水道管破裂相次ぐ 予算不足、交換追いつかず(読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/osaka/feature/CO023571/20161204-OYTAT50006.html

水道がなくなる!?耐用年数過ぎボロボロ…追い付けない自治体の施設更新(NHKクローズアップ現代+)

http://www.j-cast.com/tv/2014/10/18218635.html?p=all

 

これらの報道にあるように、すでに耐用年数の40年を超えた水道管が全国で更新時期を迎えているにも関わらず、予算不足から更新が進まず、各地で水道管の破損による漏水事故が多発しています。さらに、人口減少社会・税収減少のなかで「水道管の更新ができない」地域・地区が発生している自治体まで出現しています。

近年、「地方創生」といったキーワードで地域社会の活性化が求められています。じっさいに国も地方自治体も積極的に取り組んでいます。しかし、もし重要な生活インフラである「水道」が老朽化して更新できない、使えないとなったら、事態はどう動くでしょうか。その地域には住むことも困難となりますし、当然ながら農業・工業・商業いずれの産業もその地域からは撤退せざるを得ないことになるでしょう。いわば「放棄地」になるリスクがあるのです。「そんなことにはならない、それは国や行政が責任をもって整備すべきだ!」という意見もあるでしょうが、いかんせん予算が不足しています。しかも、東京23区であれば、たとえば1kmの水道管を整備すればそこには数千人~数万人の水道ユーザー(需要者)がいますので、水道料金収入によってコストも短期間で回収可能です。しかしながら、郊外や地方都市になれば1kmの水道管を整備しても、そこにユーザーは数十人~数百人なので赤字となってしまい実現困難です。さらにいえば、過疎の村などでは1kmの水道整備でユーザーは農家1軒だけ、といった事例も出てくるでしょう。こうなってはとても公共水道を全国にあまねく普及させておくこと(維持すること)はもはや不可能といわざるを得ません。

もし、そのように水道が失われた場合、そこに住む人、その地域の企業や自治体はどう対応すべきなのでしょうか。人口減少社会のなかで、生活インフラの維持管理さえも困難になる時代を迎えて、意思決定を求められるタイミングはすぐ目の前に迫っています。

東京アプレイザル物語

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