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東京アプレイザル物語

13 ターニングポイントの平成4年

司会: 芳賀先生なりの営業方法を見付け、人間関係を築かれて、業務的には比較的順調だったのですね。

芳賀: そうですね。ただ、鑑定の業界は変動が激しいので、月によっては苦しいということはありました。独立してだいぶ経ってからですが、数か月間売上げが厳しい状況が続いてしまい、私自身2か月間給料を取らないということがありましたね。とはいえ、会社がいよいよ危ないという状況にはなったことはないですね。

司会: バブルが崩壊してからも、さほど影響は無かったわけですね。

芳賀: ただ、バブル崩壊で、それまで大きな仕事をさせていただいていた大手の金融機関3社との取引は、無くなってしまいましたね。その後、その3社自体、清算や破たんといった結果となりましたね。

司会: その大手金融機関との取引から発生していた売上げは、全体のどれ位の割合だったのですか?

芳賀: 恐らく、6・7割だったと思います。

司会: それは、相当大きいんじゃないですか?

芳賀: 大きいは大きいですね。大きな会社と付き合うよりも、1年に一度でいいから鑑定業務を紹介してくれる支援者や取引先を、いかに増やし続けるかが重要だなと、その時に痛感しましたね。

司会: 定期的に安定して仕事を依頼してくれる取引先をどれだけ持っているかということですね。

芳賀: そうですね。その大手の金融機関との取引が無くなってしまったのが、平成3年頃だったのですが、その翌年の平成4年に、私にとってのターニングポイントが訪れるんです。

司会: 詳しく教えていただけますか?

芳賀: 相続税の路線価が公示価格の80%の割合になったことです。極端な不整形地や傾斜地・無道路地等の条件が極めて劣る土地について、鑑定評価による時価が路線価評価方式より低いことを証明できれば、鑑定評価でも差し支えないという事務連絡が国税庁から出されたのです。ここで、相続税の申告において不動産鑑定士の出番が回ってきたと直感したのです。これは税理士業界にネットワークを築かなければと思いましたね。

司会: そのように即座に思えたのは、何故だと思いますか?

芳賀: やはり大手の金融機関との取引が無くなって、苦しいなと少なからず思っていたというのはあるのかもしれませんね。

司会: 苦しい状況を打開しなくてはという危機感から辿り着いた答えだったわけですね。

芳賀: また、その時に出会った1冊の書籍も私に大きく影響を与えましたね。

司会: その1冊というのは、どのような本なのですか?

芳賀: 森田義男先生の書かれた「怒りの路線価物語」(ダイヤモンド社)という書籍です。路線価評価の問題点を指摘した内容で、先ほどの国税庁からの事務連絡の内容に鋭く切り込んだものでした。この本からも、やはり不動産鑑定士は相続分野へ参入するべきだなと思いましたね。

司会: 芳賀先生の進む道へ大きく影響するのですから、素晴らしい書籍なのでしょうね。

 

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斎藤紀明が斬る

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