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[対談ブログ]こんにちは、芳賀則人です

【特別編 第3回】こんにちは、芳賀則人です(株式会社タクトコンサルティング 本郷 尚先生)2018.06.18

平成29年10月24日(火)に、代表・芳賀則人が、株式会社タクトコンサルティング会長・税理士の本郷尚先生にお招きいただき、対談を行ないました。

今回は「こんにちは、芳賀則人です」の特別編として、対談風景をお届けいたします。

 


一国一城のリーダーとして、そして一人前の親鳥として成長した彼らと一緒に仕事ができるなんて、

これほど幸せなことはありません。

 

芳賀先生は、いつも前向きです。
バックミラー、サイドミラーを気にしません。
いつも挑戦者です。
多くの人を引き込む、魅力的なリーダーです。

                 本郷 尚

 


 

最初の出会いはセミナーだった

―― 昭和61(1986)年、本郷先生は新橋に移られましたが、そのころに芳賀先生と知り合われたのですか。

本郷 「資産税一本でいく」という名乗りを上げて新橋に移った当初は、内部固めに専念していました。東京での不動産鑑定士さんの人脈は皆無でしたから、芳賀先生との出会いは新橋に移転後、少し経ってからだと思います。

芳賀 当時、不動産鑑定士と付き合っている税理士さんはほとんどいなかったと思います。本郷先生のお名前は存じ上げていましたが、はじめてお会いしたのは確か生命保険会社のセミナーでした。本郷先生と弁護士の江口正夫先生と3人で講師をさせていただきました。江口先生と本郷先生はすでに業界では有名人でした。本郷 私の場合は、一般向けに相続の話をする人があまりいなかっただけですよ。

芳賀 一般の人やほかの業界の人にも分かりやすく話すことができる税理士さんは、本郷先生くらいでした。難しい話を難しく話す方はたくさんいましたけれど(笑)。

本郷 当時は今と違って、相続に対する一般の関心も知識も低かったですね。少しでも分かりやすくと思って、漫画で『相続税減量作戦 これがスマート節税のコツだ!』(ワコー)を出しました。一部ご紹介すると「相続税は脱税してはいけません。でも取られる身になるとまさに奪税4 4 です」、そして、相続人が財産分けでもめる姿を「相続が争族4 4 となる」と表現しました。この〝争族〟は常用語にもなりました。

 

 

さながら梁山泊のごとく野心的な強者が集う

―― 本郷先生の新橋時代の事務所は、ほかの税理士事務所とは全く違う雰囲気でした。「梁山泊」のようだったそうですね。

本郷 新橋に出てから「資産税専門でやっていきます。一緒にやりませんか」と、税理士資格を持った人を募集したのです。あちこちに声を掛けたら、生命保険会社や税務署、普通の会社に勤めていた資格者が集まりました。あえて会計事務所出身者ではなく、いろいろな分野で働いていた人を採ったのは、資産税でやっていくには多彩な経験を積んだ人が集まったほうがおもしろいと思ったからです。私のスタンスは「3年間は自由にやっていいけれど、その後は自己責任です。自分で稼いでください」。ですから、独立心旺盛で勉強熱心、野心的な人が集まり、野に放たれた野生動物みたいな雰囲気でした(笑)。実際、それくらいタフじゃないと資産税の仕事はできないのです。

―― ルーティンワークではなく、人の心に切り込んでいくわけですからね。

本郷 そう、自分で飛び込んでいって仕事をつかまないといけない。結局、心身ともにタフな狩猟民族が残りました(笑)。このころから、いろいろな方が事務所に出入りしてくださるようになりました。

芳賀 私もちょくちょく出入りさせていただくようになりましたが、どんな目的で伺っていたのか、思い出せないのです(笑)。

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仕事が大好き、森羅万象に興味あり

―― 本郷先生もそうですが、芳賀先生もまた「タフな仕事人」という印象です。

芳賀 タフというより、人に頼まれることが好きなのですよ。それに本郷先生と同じで何にでも興味がある。森羅万象、何でもOK(笑)。

―― でも、最大の趣味はお仕事ですか。

芳賀 ええ、そうですね。3日休んでいたらうずうずしてしまう。月曜日が楽しくてしようがないタイプ(笑)。

―― 本郷先生もご家族に「ハッピー・マンデー親父」と言われているそうです(笑)。ここも共通点ですね。ところで、芳賀先生はなぜ不動産鑑定士になろうと思われたのですか。

芳賀 弁護士に憧れていたのですが、大学3年のとき、民法学者の篠塚昭次先生のゼミに、現役の不動産鑑定士が来て1時間くらい話してくれました。「司法試験より楽だな」と思って、すぐ乗り換えた(笑)。

―― 特に不動産に興味があったわけではないのですね。

芳賀 ええ、そのころは社会のことなど何も知らなくて、三大士業のひとつと言われてその気になったのです( 笑)。昭和45(1970)年に地価公示制度ができました。早急に不動産鑑定士を養成しなければいけないというわけで国が後押ししていたのです。

 

資格はパスポート、勝負はそのあと

本郷 我々税理士もそうですが、資格で食べていけるわけではないですよね。資格はその世界に入るパスポート。その後が勝負です。時代の流れをつかみ、問題を見付け出し、資格者を束ねて解決したり、新しい仕事を創り出したりすることができるかどうか。

芳賀 まったく同感です。

本郷 これまでもそうでしたが、これからはもっと凄いスピードで時代が変わります。今の市場や仕事がずっとあるとは限らない。極端に言えば、裁判官だっていずれAI(人工知能)に肩代わりされるかもしれません。

芳賀 不動産鑑定士もこのままでは「絶滅危惧士業」です(笑)。

本郷 しかし、一方で、将来を読む勘とか、問題を解決するためにどういう人を集め、どうコーディネートして進めるかといったことはAIにはなかなかできませんよね。

芳賀 ええ、極めて属人的ですし、答えは十人十色。マニュアルもないですから。

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士業の殻を破り税理士に営業をかける

―― おふたりはすでにその領域で仕事をされていらっしゃいますね。

本郷 芳賀先生はさまざまな士業の先生を集めて、セミナーで最先端の情報やノウハウを提供されています。そして、そのなかからビジネスチャンスをパッとつかんでいる。例えば、税理士に情報を提供しながら、税理士が困っている問題を見付け出して不動産鑑定の仕事に結び付けていらっしゃるし、相続問題に関しても、いろいろな関係分野の方とネットワークしてセミナーをされている。そうした発想力や行動力にはいつも感服しています。東京アプレイザルさんのセミナーの数たるやすごいですものね。

芳賀 年間300回。自前の講座だけでも200回を超えています。本郷先生をはじめ、タクトコンサルティングの先生方にもいつもご協力いただいています。

―― 芳賀先生が、税理士さんとのネットワークをつくろうと考えたきっかけは、何ですか。

芳賀 バブル崩壊でお取引先の金融機関がダメになり、不動産鑑定の売上が激減しました。そんなとき、本郷先生の本を読んで「これからは相続だ」と思ったのです。平成4(1992)年、相続評価に使われる路線価が公示価格の80%になりました。それまで路線価は公示価格の50%以下だったので、これなら不動産鑑定士の出る幕があるな、と。相続税の申告は税理士さんですから、まず、税理士さんとのネットワークをつくりたいと思ったのです。

―― どんな戦術ですか。

芳賀 400件くらいの税理士事務所に、往復ハガキで手書きのダイレクトメールを出しました。アンケートで「不動産鑑定に興味がある」と答えたところに片端から電話で面会の約束をとり、「無料で鑑定評価をします。効果があると思われたら業務提携してください」と営業して回ったのです。

本郷 行動力がすごいですね。税理士もそうですが、士業は「資格を取りました、看板を掲げました、誰か紹介してくれないかな」と口を開けて待っている人がほとんど。「営業する」という概念がないのです。芳賀先生のように士業の殻を破って自ら打って出ない限り、クリエイティブな仕事はできないと思います。

―― おふたりの第一の共通点は、「型破り、枠壊し」ですね。

 

「そこそこ食える」状態に安住するのが一番危ない

―― ほかの不動産鑑定士さんは、芳賀先生のやり方を追随しなかったのですか。

芳賀 しませんでした。地価公示の仕事をやっていれば、とりあえずは食べていけたからでしょう。

本郷 「そこそこ食える」というのが一番危ないのですよ。安定収入というと聞こえがいいけど、相手先がぽっとなくなってしまったらアウトです。私はいつもそういう危機感を持っているので、時代の変化にアンテナを張り、次の一手を常に考えています。ほかの業界なら、市場調査やマーケティング、営業活動はあたり前のこと。ほかの業界のほうが参考になります。

芳賀 同感です。経営戦略コンサルタントの塩見哲さんがこんな問い掛けをしています。「漁師さんがいました。朝起きて漁に出ようと思ったら海がなくなっていました。皆さん、どうしますか」。

―― なるほど。分かりやすい喩えですね。

芳賀 突然、海、つまり市場がなくなることが実際にあります。一例を挙げると、広大地の評価が地積規模の大きな宅地として大幅に改正されました。それによって鑑定評価の売上の3分の1くらいが消えてしまうのですよ。

―― でも、芳賀先生の口調にはあまり悲壮感を感じないのですが。次の一手を考えるのがよくよくお好きなようですね。

芳賀 そうですね(笑)。ある意味では苦しい状況を楽しんでいますね。

本郷 私も似ているかもしれません。お客様や市場の動きは常に変化しています。変化こそ、新しいものや発想を生み出す母胎です。次に何が起こるか、そこを想像して次の流れをつかむ。もちろん全部が成功するわけではないけれど、思いついたらとにかく挑戦してみます。失敗も経験になりますから、一歩も二歩も先に出られる。それをやり続けるのです。実行なくして成功なし。まずはバッターボックスに立て。

―― 今のお話もそうですが、士業の後輩や若い世代に何を求められますか。

本郷 情報を集めたり、分析したりする人はたくさんいますが、要は、やるか、やらないかです。バッターボックスに立たなければヒットは打てない。バッターボックスに立ったら、見送り三振より、空振り三振です。

―― バッターボックスに立つどころか、ベンチで吠えていたり、客席で評論したりしている人が増えているように思います。おふたりはためらわずにバッターボックスに立ってバットを振るほうですね。

芳賀 ええ。デッドボールもたくさん受けています(笑)。

本郷 ヤジも飛ばされますし、罵声も浴びます(笑)。

―― 「満身創痍の挑戦者」(笑)。これも共通点ですね。

本郷 セミナーを開けば批判も受けますが、楽しみもあります。私はセミナーの後、受付のところに立ってお客様に声を掛けます。「ご質問は?」では相手が身構えてしまうので、「こんにちは、どうでしたか」。こちらから声を掛ければ、必ず反応があります。「実は…」とか、「我が家では…」とか、生の話が聞けます。後で手紙やメールをいただくこともあります。私にとってはこうした生の反応が一番大事。そこから得るものは大きいですよ。現場感覚が磨かれます。

―― 講義が終わると、荷物をまとめてすぐに帰ってしまう講師の方がほとんどですが……。

芳賀 私は、まだまだ本郷先生の域には達していません。ざっくばらんな性格の私でさえ、お客様は距離感を感じるようです。腰を低くしているつもりですが、本郷先生のように自分から声を掛けるところまではいきません。いいお話を伺いました。

 

コミュニケーション能力を磨いた20代後半

―― お話を伺っていて、また、おふたりの共通点に気付きました。「コミュニケーション上手」。

芳賀 私の特技は、初対面の人といくらでも話せることです(笑)。

本郷 私はざっくばらんどころか、ざっくばらばらですから(笑)。

―― もって生まれた性格でしょうか。それとも鍛えたのですか。

芳賀 誰とでも世間話ができるようになったのは、23~24歳のころ、2000件以上、中古住宅の査定をした経験が大きかったです。ご自宅の査定に伺うと、対応してくれるのはほとんどが奥様。40代、50代の奥樣方とおしゃべりができないといけない。そこで随分鍛えられました。

本郷 私も20~30代に似たような経験をしています。市役所の無料相談をしていたのです。これで鍛えられましたね。建前は税務相談ですが、実態はよろず相談引受所。「最近、うちの主人の帰りが遅いんです。浮気しているんじゃないかしら」とか(笑)。「主人が入院したので、主人名義の預金を自分の口座に移しました。主人にはバレるのはかまわないけれど、税務署に見つかったらどうしよう」とか。まるで落語のようですが、本当の話です。一般の人からすれば、こういうことが気になっているのですね。今でいう名義預金ですから全然心配ないのに、税理士さんのなかには杓子定規に「税務署にバレたら贈与税がかかります」などと答える人もいました。今でこそ、相続税の知識はネットで拡散していますが、当時はこんなレベルだったのです。男性は損得、女性は好き嫌いで判断する。

―― 20~30代に経験されたことが、その後のコンサルティングビジネスやセミナーの土台になっている。資格の勉強だけでなく、幅広い経験を積んでコミュニケーション能力を鍛えたほうがいいのですね。

芳賀 そうです。特に女性のお客様の場合は、信頼を得られるかどうかで決まります。ストレートに言えば、気に入られるかどうか。男性は損得ですが、女性は好き嫌い。嫌われたら絶対にダメですね。それには話し方がとても大事です。

本郷 そうそう。女性に資格や学歴、実績をひけらかしても、「鼻につく人ね」で、終わり。結婚相手じゃなく、相談相手ですから(笑)。フェイス・トゥー・フェイスのコミュニケーションで第一印象が決まってしまう。そこを鍛えないとその先には進めません。

―― 女性の心は「資格」や「肩書き」ではなく、「会話」で開く。同感です!

本郷 今はネットを利用してお客様を獲得する人もいます。入口としてはそれも一手でしょう。実際、そうした需要もあります。ただ、近寄りやすいという雰囲気だけでは、コンサルティングの場合はいずれ限界が来るような感じがします。

芳賀 参入障壁が低くて新規参入も多いですから、最後は値段競争になりそうです。

本郷 お客様が本当に望んでいるのは、少しキザな言葉で言えば、「価格」ではなくて「価値」だと私は思うのです。それには水面下に隠れた「ニーズ」をつかまなくてはならない。私はよく「相続は分割、納税、節税。優先順位もその順です」と言っているのですが、分割ひとつとっても、家族ひとりひとりの本音を聞き出してソフトランディングさせるのは容易なことではありません。これを本当に処理できる人はプロでもそれほどいないと思います。

 

「相続」を「争族」にしない。それがプロの勝負どころ

芳賀 私も、ご家族がハッピーになることが一番大事だと思います。でも、税理士さんのなかには「家族の争い事を持ち込まないでくれ、話がまとまったら来てくれ」という人もいます。

―― 要は、「私の仕事は税務処理だけです」ということですね。

芳賀 そう、「家族の泥仕合には付き合いません」と。

本郷 泥仕合にならないようにするのが、プロとしての勝負どころなのにね。お客様の願いはそこなのです。お客様はそこで苦しんでいるのです。

―― 「話がまとまったら来てください」という人は、芳賀先生が先ほどおっしゃった漁師の話のように「朝、起きたら海がなくなっていた」という目に合うかもしれません。

芳賀 その可能性はありますね。

―― ところで、芳賀先生が扱っている不動産鑑定のお仕事はネットを介して受けることができますか。

芳賀 できません。路線価では対応できない土地の評価ばかりなので、全部手づくりです。ただ、鑑定評価をしたほうが有利な土地は全体の5%程度。この5%のなかには、例えば、通達どおりなら1億円と評価されてしまう土地が、鑑定したら6000万円になるようなケースもあります。それを税理士さんに知ってもらうためにセミナーを開いたり、本を出したりしているわけです。鑑定評価で評価額が下がれば、相続される方は当然喜びます。税務署は鑑定書が大嫌いですが(笑)。

 

法人所有の不動産に注目

―― 東京アプレイザルさんと業務提携されている会計事務所はどのくらいですか。

芳賀 1000事務所くらいです。実際に仕事が来るのは200弱。年間に複数件の依頼が来るのは50事務所くらいですね。それを増やし続けないといけない。そこで、相続に限らず、「家賃や地代なども鑑定します。何でもご相談ください」とPRしています。

本郷 今、法人所有の不動産が動いています。M&Aとか、退職金代わりに不動産を渡すとか、兄弟で会社を分割するとか。法人が絡むと原則は時価です。鑑定評価が必要になる。そういう分野の仕事も税理士さんにアピールされてはどうでしょう。

芳賀 アピールしているのですが、まだまだタクトコンサルティングさんのようにM&Aや事業承継に積極的に取り組んでいる会計事務所は少ないですね。

本郷 法人所有の土地などの鑑定は数が少なくても動く額は大きい。しかも報酬は会社の経費になりますから、いたっておおらかです。

芳賀 なるほど。もっと力を入れてやってみます。

本郷 大手の会計事務所は創業100年もの顧問先企業をいくつかお持ちです。そうした老舗企業の多くは整理しなければならない不動産を抱えています。

―― 顧問税理士ではできませんか。

本郷 医者でいえば、顧問税理士さんは内科あるいはホームドクターのような存在。手術が必要なときはやはり外科の先生が必要ですし、難しい手術であれば専門家がチームを組んであたらなければなりません。

 

相続に関わる士業間で連携が必要

―― 専門家同士のネットワークは今後ますます必要になりそうですね。

芳賀 ええ。私は、先ほど言ったように、まず「DM+営業」で税理士さんとのネットワークをつくりました。その結果、徐々に相続絡みの仕事が多くなり、セミナーなどでも税理士さんや弁護士さんなどほかの士業の先生方とのお付き合いが増えました。自然に相続についても詳しくなっていくうちに、相続ビジネスが士業ごとに縦割りになっていることに気付きました。そこで、横串を刺すために、平成12 (2000)年に「相続アドバイザー協議会」を設立し、相続に関わる全士業の講座をつくったのです。

本郷 それ以前から、セミナーや情報交換会も開いていらっしゃいましたね。

芳賀 ええ、平成7(1995)年からセミナーを開いていましたが、本格的になったのは平成12(2000)年からです。士業の皆さんもやっと「相続はこんなに幅広く、奥の深いビジネスなのか」と気付かれたようです。

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「節税ビジネス」から「幸福コンサル」へ

芳賀 相続アドバイザー養成講座では、弁護士の江口正夫先生がよく本郷先生のお名前を挙げて、「相続で一番大切なのは節税ではなく、円満に分割することだ」というお話をされます。その後に相続争いになったケースをいろいろ紹介するわけです。皆、それまでは節税が第一と思い込んでいますから、「へえーっ」と引き込まれて2時間があっという間に過ぎてしまう。

本郷 節税を優先すると分割しにくくなるのですよ。節税目的でアパートを建てたら分けにくくなるし、売りにくくなる。法人化したらもっと分けにくい。もし、1億円の現金だったら分けるのは簡単です。その日でおしまい。弁護士も税理士も要らない(笑)。納税にも困らない。ただ、節税ができないというだけの話です。

―― でも、この単純な話が業界のなかでは全く無視されていますね。

芳賀 誰も食べられなくなるから(笑)。

本郷 そう、ビジネスありき、だからです。その結果、争いの火種になるような、やっかいなものを背負い込んで苦労している相続人がたくさんいるわけです。やはり、お客様が幸せになることを第一に考えたビジネスをしたいですね。

 

受講生やOBの成長と活躍が嬉しい

―― 相続アドバイザー養成講座をきっかけに、受講生の皆さんのネットワークができましたか。

芳賀 同期生の横の結束はなかなか強いですよ。

本郷 そういう人たちが切磋琢磨して成長して、今度は講師になるといいですね。

芳賀 そうです。私の願いは受講生をスターにすること。そうした優秀な受講生が育っています。

本郷 私の事務所のOBのなかからも講師やスターが出ています。そういう話を聞くとワクワクします。

―― また、共通点が見つかりました。「人を育てていること」。ところで、良い講師になるには何が必要でしょう。

本郷 知識があって話が上手という人もいますが、本物になるにはなんといっても現場の経験です。知識のコピー&ペーストで話しているとやはり弱いですね。

―― 自分の経験なのか、他人の知識の受け売りかは聞いていて分かるものです。自分の経験で話している方は迫力があるし、どんな質問が出ても困らない。

芳賀 確かにそうですね。

 

話しているだけで、化学反応が起きる仲間はお宝だ

―― 「人や情報を囲い込まないところ」も共通点ですね。

芳賀 囲い込む人のほうが圧倒的に多いですが、情報は発信すればするほど、良い情報が集まってきます。

本郷 芳賀先生とは折りに触れて情報交換をしています。お互いにいつも新しいことを考えているので、話していると化学反応が起こるのです。いろいろなアイデアが次から次に湧いてきてワクワクする。こういう仲間はお宝です。

―― そういうアイデアが出ると、きっとリスクがあっても挑戦されるのでしょうね。

本郷 そうです。「何もしないリスク」のほうが大きい時代ですから。

芳賀 私もよく、走りながら考えるタイプだと言われます。

本郷 それに考えているだけじゃつまらないですよね、芳賀先生。

芳賀 そうそう(笑)。

―― 走ってみないと分からないこともありますものね。アスファルトなのか、でこぼこ道なのか、ぬかるんでいるのか。

芳賀 でこぼこ道だったら、そのときにどう走ればいいか考えればいいのですよ、臨機応変にね。

―― そういうタフな人は減っているような気がします。ゴールが見えないとスタートできないとか、アスファルト舗装じゃないと走れないとか。おふたりの突破力はどこからきているのでしょう。

芳賀 私は昭和28(1953)年生まれですが、時代的にも日本はまだ貧しかった。そういう時代背景も関係しているかもしれません。

本郷 私は性分かな(笑)。新しいことに挑戦するのが心底好きなのです。

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専門領域に留まることなく、幅広く学び、幅広く付き合う

―― 士業の後輩や独立を目指す人たちに対して、改めてアドバイスを。

芳賀 ひとつの資格にこだわらず、幅広いネットワークをつくってください。不動産鑑定士も、相続や信託など幅広く勉強したほうがおもしろい仕事ができます。

本郷 同感です。専門領域に引きこもらず、いろいろな領域に関心をもち、ほかの士業と連携しておもしろい仕事を創造してほしいですね。市場はどんどん動きます。日ごろから問題を見付け、どうしたらいいか、自分で考える訓練をしてほしい。ひとりでは解決できないことは、ほかの専門家と取り組めばいいのです。そういう話をすると「報酬はどう分けましょう」とか、細かいことを言い出す人がいます。それこそ自分たちで考えること。問題を解決すれば成果が出るわけですから、報酬の取り方も分け方も自分たちで創造していけばいいのです。自由業だもの、報酬規程などありません。

芳賀 そこはまさに資格者の弱点ですね。

本郷 「資格の死角」です。

芳賀 「士業必見! 報酬のもらい方」という講座ができそうです。

本郷 ひとつだけヒントを言えば、お客様が一番嬉しいときにいただくことです。

芳賀 なるほど。本当に講座を考えますよ。そのときはよろしく(笑)。

本郷 芳賀先生と話していると、すぐ2つ3つと新しいアイデアが生まれますね。これからも、よろしくお願いします。

 

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対談者プロフィール

株式会社タクトコンサルティング 会長
税理士
本郷 尚 

昭和48年 税理士登録
昭和50年 本郷会計事務所開業
昭和58年 株式会社タクトコンサルティング設立 代表取締役就任
平成15年 税理士法人タクトコンサルティング設立 代表社員就任
平成24年 株式会社タクトコンサルティング 会長就任
相続、贈与、事業承継、土地活用、財産管理を中心とした資産税専門の税理士。
講演・執筆等でも各方面で活躍中。

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書籍のご紹介

『資産税コンサル、一生道半ば タクトコンサルティングの40年』(本郷 尚 著)

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資産税コンサル一生道半ば

 

東京アプレイザル物語

斎藤紀明が斬る

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